卒業生紹介


宇野 陽一

2003年 京都市立芸術大学  工芸科  入学

        工房での作品紹介


メッセージ

僕がさんかく工房に入ったのは高2になる前ぐらいでした。最初にアトリエに書類を提出しに来た時は受験シーズンだったので、受験生達が同じモチーフを机に置いて黙々と描いておられました。見知らぬ人がアトリエの中に入ってきたということでジロジロと見られるかなと思って、行くのはちょっと嫌だったんだけど誰も僕に気づきませんでした。受験を経験してわかったことだけど、絵を描く時の自分とモチーフとの間は独特で複雑な感情が流れる空間で、絵という形で答えを見出そうとモチーフの雰囲気をとらえようと真剣になる。最初に見たあの状況はとても印象に残っていて、僕も来年受験なんだと思わされたものでした。

僕が美術を志したのは、中学ぐらいの時でずっと陶芸をしたくて、高校の先生に相談したところここを紹介されました。家から近いし、面談で先生に内容などの説明をきいて、すぐ入りました。入ってからの勉強は僕がここを卒業するまで全て充実していたと思う。常に新鮮でした。初めは本当に基礎的なことを、自分が理解出来るまでやりました。その内容は受験に向けての対策などではなく、根本的な、物を見る力を身につけるもので今から考えると一番大切な内容だったんじゃないかなと思います。受験シーズンになるとせっぱつまった授業の内容になってきて志望校に受かる為かなりシビアな事も言われるようになりますが、そういう時期においても先生が僕らにアドバイスされるという事というのは、受験に入る以前の基礎的なことをやっていた時におっしゃっていた事とほぼ変わらず、これからの芸術活動をしていく上での自分の気持ちの持ち方というかそういうなんか根本的な所を常に意識させられる事でした。

仲間関係も良かった少人数でやるのでみんなの個性というのがとても見やすいし仲間が作った作品から自分にはなかったアイデアとか形とか色とか、作品を見るたびにいろんなことが吸収できてとても面白い。少人数だから仲良しだし仲が良いからこそ作品に対する意見もちゃんと言い合える。弱点があっても相乗して克服していけると思う。でも最後は自分自身の気持ちしだいですけど。

僕は受験に1度失敗しているんだけど、なぜ失敗したかはわかりきっていることでした。

全てを甘んじてたと思います。「何とかなる」とかまぐれが出てくれるとかそんな甘い気持ちで日々を送ってたし、将来についても陶芸がしたいとばかり思ってて、実際に陶芸をする以前にするべきことというか、しっかり自分の中で消化していないといけない事とか考えていませんでした。失敗してから浪人生活はそういうところを気持ちの上で充実させようと貧欲に行おうと努めました。貧欲さというのは受験の為ではなくて、もっと先のスパンで考える時、これは絶対にないといけないと思います。何でも経験していくという精神は本当に大切だと、受験を通じて気づかせてもらったと思います。

僕は今年から大学で勉強してしていくんだけど、さんかく工房で学んだことを忘れずに頑張っていこうと思います。

2003.3


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